新設の土間に出来たひび割れ・・・
主に考えられる原因は以下の3つです。
1・伸縮目地の設置不足 → 外気温変動や振動によるクラック
2・養生不良 → 打設時の急激な温度変化によっておこる乾燥クラック
3・地盤や砕石の転圧不足 → 地盤沈下や空隙で加重時に割れたクラック
なので、
補修前に原因を推測し、正しい補修方法を選択する必要があります。
例えば、1番の原因で発生したクラックの場合、
クラックだけを補修しても必ず再発します。
その場合は「施工目地や伸縮目地を新たに入れる」か、
「可撓性の樹脂を使用」して膨張収縮の動きに追従できるよう
しなければ根本的な解決にはなりません。
前置きが長くなりましたが・・・
今回の現場でのひび割状況。
・施工後、数日経ってから車両を乗り入れ時に割れたとの証言
・打音で浮いた音がする
これらの状況から3番の、転圧不足か空隙があると推測できます。
まずは打音で浮いてない境界付近にカッターを入れ、
浮いた部分を取り除いていきます。
ハツリ取ってみると・・・
予想通り転圧が甘く、2か所共に厚み2~30㎜程度しかありませんでした。
先に設置した施工目地が邪魔で、転圧機を当てきれなかったんだと思います。
これでは荷重がかかるとすぐに割れてしまいますね。
補修方法として
・できるだけ砕石を叩いて締め固める
・強力な樹脂を流し込み、砕石部分を固めてしまう。
その上から断面修復材を充填していきます。
↓ こちらはVカット後に樹脂を流し込み固定します。
6キロ程入りました。
その後、24時間以上の硬化養生を設けてから
注入器具の撤去と全体の仕上げを行っていきます。
完了写真
「施工前」
「施工後」
「施工前」
「施工後」
「施工前」
「施工後」
全体塗装になってしまうことや、経年後の塗膜ハガレを懸念して
依頼主さまと相談の結果、
今回は雨に濡れても補修部分が目立たない塗料(Ⅽリペカラー)で部分塗装としました。
ただし、塗料の耐久性は高くないので数か月で色が薄れてきます。
表面処理で塗ったモルタルも白いので、
それまでに汚れて馴染むことを祈りつつ完了としました。